2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『煙突掃除の少年』 バーバラ・ヴァイン 富永和子(訳)

本書は大変読み応えのあるミステリーですが、著者バーバラ・ヴァインは、題材によってその名前を使い分けており、“ルース・レンデル” という別の名前でも推理小説を書いています。1930年、ロンドン生まれの女性です。 そして、どちらの名前でも、数々の…

『クジラは食べていい』 小松正之

今年はアラスカのアンカレッジで、国際捕鯨委員会(IWC)が始まりました。例によって、捕鯨国イジメのようなものが展開されるはずですが、ここ数年は徐々に環境団体のあやしさが知れわたり、日本などの捕鯨国が他国の理解を得つつあったと感じていました…

『日本の死体 韓国の屍体』 上野 正彦、 文 国鎮

松岡農林水産大臣の自殺という実にショッキングなニュースが流れました。遺書が何通かあったようですが、いったい何があったのでしょう。現・自民党政調会長の中川昭一氏のお父さん、中川一郎氏が自殺された時も私には大変なショックでした。 その折、ろく…

『どこにでもある場所とどこにもいないわたし』 村上龍

コンビニ、居酒屋、公園、カラオケボックスなどの “場所” を取り上げ、そこでのできごとと、そこにいるはずの “わたし” がまわりに溶け込めず、自分の存在とはいったい何なのか、さまざまな思いをめぐらすというお話しです。一つ一つの場所が短編として集め…

田植え (世田谷の田んぼ)

何の変哲もない写真で恐縮ですが、世田谷にある田んぼです。子どもが田植えの体験をさせていただいたので記念に…。生徒諸君!5月・6月は田植えのシーズンですよ。 クリックしていただけるとありがたいです。 ↓ blogランキングへ http://tokkun.net/jump.h…

『聖書でわかる英語表現』 石黒マリーローズ

以前、英字新聞(タイムズ)の見出しに “A Senile God? Who would Adam and Eve It?” とありました。 アダムとイヴ??? Senile は “老衰した”という意味ですから、“老衰した神”、まではよいのですが、あとは何?と思って探したのが本書です。 筆者はレベ…

『死ぬための教養』 嵐山光三郎

筆者の嵐山光三郎氏は昭和17年生まれ、『笑っていいとも!増刊号』 に出演していましたからおなじみでしょう。昨日紹介した、『新書365冊(宮崎哲弥)』 の中でも本書が取り上げられており、評価は BETTER (BESTのひとつ下) でした。 ちな…

『新書365冊』 宮崎哲弥

最近よくテレビで拝見する評論家、宮崎哲弥氏の書評を集めた一冊で、かなり売れているようです。確かにこれだけ新しい本を一堂に集めたものは、読書の参考にもなるでしょうし、本書を読むだけでもおもしろいです。雑誌『諸君』に連載していたものを、分野別…

『昨日のように今日があり』 千宗室

ある大学入試の英文で、 「“ tea ceremony ”(茶道) という言葉ほど、イギリス人(外国人一般も) にわかりにくいものはない」 という意味のものがありました。 なぜならば、イギリスでは、“tea:ティー” は日常を表す代表的な言葉で、お茶を飲むのはごくあ…

『チョコレート工場の秘密』 ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク(絵) 柳瀬尚紀(訳)

偶然見つけた大変おもしろい一冊で、張り切って紹介しようと、ちょっと調べてみたら、そもそも大変な名作で、すでに40年以上も前、1964年に原作が出版され、71年には日本でも翻訳が出されていました。恥ずかしながら、本書の存在を知りませんでした…

“戦争への道” 時事問題:定期テスト対策 

定期テスト&受験対策 中学受験でも、高校受験でも出る、日本の “戦争への道”。 受験勉強では、もちろん、定期テスト、もう中間テストが始まります。 すでに始まっているところもありますが、 記事は遅れたけど、これだけはしっかり確認! genio 先生が…

『プロフェッショナル 広報戦略』 世耕弘成

テレビ朝日のサンデープロジェクトでは、7月に行われる参議院選挙はもう終盤戦だという見方を紹介していました。確かに6年前から選挙があることはわかっているわけですから、各政党は長期戦略を立て、それなりに怠りなく準備をしているはず。 (入試があ…

塾の実況中継

♪ は〜るになれば す〜がこもとけて どじょっこだの ふなっこだの 夜が明けたと 思うべな♪ 知ってますか、この歌。 春!あったかくなると(ならなくても…)、ヘンなのが一杯出てくる(笑)。“ふなっこ” を “スットコ” にして歌って下さい すがこ(氷)がとけ…

川柳250周年!平成19年第2回優秀川柳発表 【生徒・講師の作品集】

●今年は川柳発祥から250年という記念すべき年なのです!● ご存知でしたか、8月25日が川柳の誕生日だそうです。250年前というと、江戸時代の真ん中あたりですか。 今、川柳ブームだそうですが、ち〜っとも知りませんでした。 さぁ、当教室メルマガの…

『プロ弁護士の思考術』 矢部正秋

弁護士とひとくちに言っても、さまざまな専門分野があり、仕事の仕方や交渉相手のタイプもそれによっていろいろでしょう。本書の著者、矢部正秋氏は1943年生まれで、ビジネス・国際取引法務を専門とするベテラン弁護士です。 そうなると扱う紛争の規模…

『子どもを育てる絶対勉強力』 外山滋比古

外山滋比古氏の著作は、私が受験生だった頃、また英語を教えるようになってから読んだものの中にも、いろいろご紹介したいものがあるのですが、最近本書を見つけてしまい、おもしろかったので取り上げます。 いつも “ことば” にこだわった教育論とか、言語論…

『喜知次』 乙川 優三郎 ・ 『神様がくれた涙』 飯島夏樹  

『喜知次』 乙川 優三郎 今回の小説シリーズの最後は、泣ける本2冊になりました。 まずは 『生きる』 で直木賞を受賞している乙川優三郎氏の感動作です。少年から、一人前の武士へと成長する姿が描かれている、友情、恋物語です。藤沢周平氏の名作 『蝉しぐ…

『沈黙』 遠藤周作 ・ 『鴨川ホルモー』 万城目学

『沈黙』 遠藤周作 文学史に残る一冊を aya先生が推薦してくれました。世界13カ国語に翻訳され、遠藤周作氏をノーベル賞候補にまでしたのが、本書 『沈黙』です。遠藤氏が亡くなった時、遺言で棺に入れられたのが、『沈黙』 と 『深い河』 ということから…

『火車』 宮部みゆき ・ 『ワルボロ』 ゲッツ板谷

『火車』 宮部みゆき フルヤ先生が紹介してくれたのは、あの宮部みゆき。代表作は、直木賞受賞の 『理由』 をはじめ、『あかんべえ』 『模倣犯』 『ブレイブストーリー』 など、挙げたらキリが無いほどで、やはり数々の賞を受賞する天才肌の作家 (作家はみ…

『千々にくだけて』 リービ英雄・ 『八州廻り桑山十兵衛』 佐藤雅美

今日からは、当教室のメルマガ5月号で紹介された小説を2冊ずつ取り上げます。手前ミソのようで恐縮ですが、どれもこれも興味深い作品ばかりです。 まず、リービ英雄という作家をご存知でしょうか。ハーフのような名前ですが、アメリカ人です。つい先日取…

母の日

『母』三浦綾子 今日は母の日。先日ご紹介した 『Girls' Day / Boys' Day』 にもあるように、こどもの日、端午の節句 (桃の節句も) は中国から伝わったものですが、母の日はアメリカから入ってきたものです。 アンナ・ジャービスという女性が、今でいう女…

『ぼくのボールが君に届けば』 伊集院静

野球といえば、“あさのあつこ” となりそうな勢いですが、もう一人の大御所がいますね。伊集院静氏です。野球の話題が続きますが、取り上げてみましょう。 伊集院氏といえば、受験界ではその作品がしばしば、中学入試や公立高校の入試に出されることで知られ…

『ぼくのボールが君に届けば』 伊集院静

野球といえば、“あさのあつこ” となりそうな勢いですが、もう一人の大御所がいますね。伊集院静氏です。野球の話題が続きますが、取り上げてみましょう。 伊集院氏といえば、受験界ではその作品がしばしば、中学入試や公立高校の入試に出されることで知られ…

『ぼくのボールが君に届けば』 伊集院静

野球といえば、“あさのあつこ” となりそうな勢いですが、もう一人の大御所がいますね。伊集院静氏です。野球の話題が続きますが、取り上げてみましょう。 伊集院氏といえば、受験界ではその作品がしばしば、中学入試や公立高校の入試に出されることで知られ…

『ラストイニング』 あさのあつこ

先日ラジオを聞いていたら、本書の筆者、あさのあつこさんがバッテリーに対する思いを語っていました。もっと熱い方を想像していましたが、予想以上に落ち着いた穏やかな話し振りでした。 当教室の子どもたちもバッテリー大好きというのが多くいましたし、私…

『フェアプレー(高校野球の特待生問題に関して)』

当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。メルマガでは字数制限がありますので、少し加えました。 よろしければお読み下さい。 ■■■■■ 『フェアプレー(高校野球の特待生問題に関して)』 去年の甲子園大会の決勝はすごかったですね。歴史に…

『イラク生残記』 勝谷誠彦

ブッシュ大統領の支持率が30%近くまで落ち込んだそうです。ついに末期症状でしょうか。 来年は大統領選挙。ブッシュ大統領の所属する共和党に対して、民主党の大統領候補ではアフリカ系アメリカ人のオバマ氏と、ヒラリークリントン女氏の名前が取りざたさ…

『心に太陽を唇に歌を − 未来に生きる君たちへ』 藤原正彦

藤原正彦氏のすばらしい小説が出されました。大変注目が集まっているようでうれしく思います。大型本でわずか56ページ、1260円だそうです。 “だそうです” というのは、まだ私は手に取っていません。 ただ、アマゾンの解説や、以前ご紹介した拙文 『古…

『冑佛(かぶとぼとけ)伝説』 河村隆夫

長い休みが終わりました。(当塾は関係ありませんが…(笑)。) お休みモードから勉強モードへ切り替えるにはピッタリの一冊かも。 端午の節句に飾る“兜(かぶと)”、もちろんそれは昔の武士が合戦に際して、攻撃などから身を守るために付けていたわけですね…

『茶色の朝』 フランク・パヴロフ著 高橋 哲哉【メッセージ】・藤本 一勇【訳】

今日はフランス大統領選挙の決戦投票です。保守系のサルコジ氏有利と報道されていますが、結果がわかるのはもう少し先。第一回の投票の結果、今日の決選投票に進んだのは、上位二人ですから、サルコジさんと、女性候補の社会党のロワイヤルさん。 1 サルコ…