『沈黙』 遠藤周作 ・ 『鴨川ホルモー』 万城目学

 

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『沈黙』 遠藤周作



文学史に残る一冊を aya先生が推薦してくれました。世界13カ国語に翻訳され、遠藤周作氏をノーベル賞候補にまでしたのが、本書 『沈黙』です。遠藤氏が亡くなった時、遺言で棺に入れられたのが、『沈黙』 と 『深い河』 ということから見ても自他共に認める氏の代表作です。 



ユーモアもあり、活動が多岐にわたる大天才だと思いますが…、受験だけは苦労されたようで、ことごとく失敗をして、結局3浪しているんです。氏の兄は東大だそうですが…。そういえば、氏もまた、先日取り上げました勝谷誠彦氏和田秀樹と同様、灘中の出身でした。





以下がaya先生の書評です。どうぞ。





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読後の感想としては、非常に重い本です。



江戸時代、島原の乱が鎮圧され、キリシタン禁制後の日本に潜伏したポルトガル人の司祭、ロドリゴが主人公です。日本に来た時は、信仰に対して何の疑いも持っていませんでした。けれども信者が迫害されているのを見て苦悩します。



そして、最後には信者を助けるためとはいえ、踏み絵を踏み、キリスト教徒ではなくなります。司祭の視点で物語が進んでいるため、弾圧する筑前守や裏切ったキチジローは悪という図式になりがちですが、この本では悪人は誰もいません。



理性では割り切れない人間の弱さがよく表現され、すべての登場人物に共感しました。転んだ(信仰を捨てた)後、ロドリゴが自問自答し、「私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」とキリストの声を聞く場面が印象的でした。



生きるとは、神とは何かを考えさせられる本です。珠玉の一冊です。是非読んで下さい。 

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鴨川ホルモー』 万城目学





これはまた、『沈黙』 とは対照的な娯楽作品をKOU先生が紹介してくれました。京都を舞台にした、非常にスケールの大きいファンタジーです。私も、NHKの “週間ブックレビュー” で、本書が取り上げられているのを見ました。TBSの “王様のブランチ” でも取り上げられたそうですよ。



また、先日決定した本屋大賞にもノミネートされていてちょっとびっくり(笑)。奇想天外、ユーモアたっぷりの非常に楽しい一冊です。





KOU先生の書評です。





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「漫画ばかりでなく、小説も読むようになりたい。でも何から読めばいいかわからないし、難しそうなのはいや。」



そんな、読書レベルを徐々に高めたい中高生、大学生にお勧めです。



作者は20代でこれがデビュー作。荒削りですが若々しく爽やかで、好感が持てます。「京大青竜会」という何やらいかがわしいサークルに入ってしまった大学生、安倍を巡る、恋と友情とチョンマゲとホルモー。



王道の青春小説に不思議な味を加えるホルモーとは??細かい表現に笑いながら、お気楽に、その謎を追ってみて下さい。 



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期せずして、対照的な二冊になりました。まったく性格が異なりますが、どちらも 忘れがたい一冊になると思います。



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沈黙

            

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鴨川ホルモー

            

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