『子どもを育てる絶対勉強力』 外山滋比古



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外山滋比古氏の著作は、私が受験生だった頃、また英語を教えるようになってから読んだものの中にも、いろいろご紹介したいものがあるのですが、最近本書を見つけてしまい、おもしろかったので取り上げます。



いつも “ことば” にこだわった教育論とか、言語論を展開しているイメージでしたが、本書では、教育を正面から論ずるというよりは、どちらかというとエッセー風に書かれており、読みやすい上に参考になります。



外山氏の著作は去年の入試でも、桐蔭学園中学で出題されましたし、やはり公立高校の入試出典、作者別ランキングでも、当教室で調べた限りでは、第5位と相変わらず入試との相性の良さを発揮しています。その意味でも読んでおいて損はないと思いますよ(笑)。



 

 ⇒ 公立高校入試に出題される本・作家ランキング 





お茶の水女子大の教授時代に、同時に附属幼稚園の園長をかねておられたそうですが、大学生に教育論を語るというより、まるで幼稚園のお母さんたちにこうしたら良いですよと語りかける感じがします。そんな一冊です。



例えば、ことばというものを3つに分類します。アルファ :ベータ :ガンマとして…



アルファ: 最も基礎になる名詞など、目の前のものを表すための直接的なことばで、自然に身に付ける。



ベータ: 虚構、フィクション、創作などをするために想像力を働かせるためのことばで、子どもにこれを身に付けさせるには、物語、おとぎばなしをたくさん聞かせる、読ませる。そこから現実的ではないストーリーを読み取る。学習とは非現実の認識の作業なので、ベータのことばと学習の関係は深い。



ガンマ: ベータのことばから、ストーリーを取り去ったことば。理論と呼ばれるもので、日本人がもっとも苦手なことば。物語ではガンマのことばの力は育たないので、論理的な文章を読んで身に付けるしかない。その昔、幼い子に漢文を読ませたのは効果的だった。



こういうことをきちんと知って、国語教育に当たるのが良いというようなことが書いてあります。



目次は以下のようなものです。



第1章 勉強がはかどる絶対条件(朝飯前;集中 ほか)



第2章
 子どもの語感を育てる(三つのことば;エピソード的・意味的 ほか)



第3章
 子どものやる気をおこすコツ(雑念を払う;ブタモキニノボル ほか)



第4章
 効率がよくなるちょっとした習慣(聞きわけ;居ハ気ヲ移ス ほか)




外山氏らしく、とにかく “はじめにことばありき”、なのですが、ではその語感を磨くために知っておくべき考え方、それを身につけるための習慣や考え方はどういうものかについて興味深い指摘がなされます。



『頭の良い子に育てる37のコツ』 と書いてありますが、上で申し上げたように体系だったものではありません。『合格レーダー』 という受験雑誌で連載していたものをまとめたものです。



お読みになって、取り入れたらおもしろそうだというものをメモでもして、実践されたらいかがでしょうか。





う〜ん、かなりスランプですが…  クリックしていただけるとありがたいです。



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