『峰雲へ』 阿部夏丸

 

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本書も夏休みに生徒たちに読んで欲しい感動物語です。読書感想文を書くのにもうってつけの一冊です。



重松清氏とは対照的に、あまり売れていないようですが(笑)、読みやすく、すばらしい一冊で、しかも中学入試や公立高校入試によく出題されます。2001〜6年の集計では何と第3位でした。



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これまでもいくつか子どもたちの成長を描いた感動物語を取り上げましたが、本書もそのもっとも典型的な内容です。『カカシの夏休み(重松清)』 や 『夏の庭(湯本香樹実)』 のように、“夏” という言葉こそ書名にありませんが、表紙には “Boys’ summer story” とあります。





舞台は愛知県に流れる矢作(やはぎ)川。実は愛知県は私の故郷で、私の卒業した学校の校歌にも “矢作川” が出てくるくらいですので、親近感をもたざるを得ません(笑)。





主人公は少年3人。彼らの住む町でただ一人残る、川漁師のおじいさん、源さんと、その孫を含む少年3人組みとの交流が物語のはじまりです。少年たちの目的は川にある小島に自分たちの基地を作ること。



友情と冒険物語というわけです。エピソードやストーリーはまったく異なりますが、”少年たちと川” という設定は、ミズーリ川を舞台にした、マークトウェインの “トムソーヤの冒険” を彷彿させます。



もちろん彼の国とは、自然のスケールやら、社会問題などの深刻さなどは比較になりませんが、どちらも少年達の持つ純粋さが素直に表現されていると感じます。





帯には “少年の心があると3回泣けます” とよくわからない宣伝文句がありますが、『夏の庭』 同様に、次々とさまざまなできごとがあり、まったく飽きません。学校や地域社会のあり方、障害者の存在や初恋まで…、一気に読んでしまった一冊です。

水の事故が連日報道されますので、本書を読んで、冒険をマネされると困るのですが、この夏休みの間に川に行って泳いだり、釣りをしてみたいと強く感じるのではないでしょうか。









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