『漫録おやじ日本を叱る』 井尻千男

 

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本書の著者、井尻千男氏をご存知でしょうか。日本経済新聞の文化面のコラムを25年も担当していた名コラムニストです。



私は、最初、それに気付かず、ある討論会を収録した別の本を読んでいたときに、その中で、居並ぶ大物達の中でも、氏の際立った論理に惹かれて、どんな人だろうと、その著作を探して読んだのが本書です。



その討論会のような特定のテーマを掘り下げて論ずる、というたぐいの本ではなく、氏が雑誌に書いているコラムを集めたものでした。体系的、学問的に、ある問題を扱ったものではなかったのですが、内容は期待通りあるいはそれ以上におもしろく読めました。



本書の表紙のイラストや名前だけでは気付かなかったのですが、いろいろ見ている間に、あっ、時々テレビに出ているあの人じゃんと知った次第です。なんと『新しい歴史教科書を作る会』の顧問だそうです。



 

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私はいつも10冊以上、読みかけの本があり、あちらの本こちらの本と寄り道をしながら一冊を読むことが多いのですが、本書は途中でやめられず一日で読みきってしまいました。話題は日本文化を中心に硬軟さまざまです。





コラムの中の話題としては、



鳩山由紀夫氏の言語能力」、「新聞の『検閲』をご存知か」、「少年法守って国滅ぶ」、などなどです。少し前の話題ですが、本質は変わっていないと感じます。





目次は



1 平らに成りてのっぺらぼう



2 からっぽの日本



3 馬鹿騒ぎして闇深し



4 気儘な政治家たち



5 苛烈な世界のウラオモテ 


となっています。



他にも、井尻氏の著作を読みたかったのですが新しいものは少ないようで残念です。それはさておき、この本、題名がよくないと思いませんか(笑)。週刊新潮のコラムの題名から来ているようですが…。せっかく優れた内容が、これではどこかのおやじさんがあれこれ愚痴をいっているだけのような印象を与えてしまうような気がするんですが…。





そういえば、以前ご紹介した、サザエさんのお父さん磯野波平さんで知られる声優、永井一郎さんの著書も 『バカモン!波平、ニッポンを叱る』 でしたね。こちらはサザエさんの中でいつもカツオくんを叱っているのでOKでしょうが、“漫録おやじ” では、若者は題名を見ただけで興味を失うのではないかと…もったいない。両方とも新潮社でしたね。偶然でしょうか。





それはともかく、波平さんこと、永井一郎氏の著作も味のある内容で良いのですが、本書はそれ以上にお薦めしたい一冊です。何か日本がヘンだと思われる方にはぜひお読みいただきたいと感じます。







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バカモン!波平、ニッポンを叱る

            

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