『さらば外務省 - 私は小泉首相と売国官僚を許さない』 天木直人



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安倍政権の支持率が大きく下がったと、新聞、テレビなどで連日報道されています。さすがに、社会保険庁宙に浮いた年金記録が5千万件というとんでもない数になっているのには驚きました。そのこと自体は安部首相の責任ではないでしょうが、納得できる解決策を出さないとそっぽを向かれますよね。



また、現役大臣の自殺という事件も、その任命権者で、松岡氏をかばっていた印象のある総理には大きなマイナスでしょう。これで何も解明されないのではないかという雰囲気です。もともと小泉内閣の高い支持率の余禄で、飛んでいた感がありましたから、ここから自律回復できるかどうか、大きな注目です。





その結果が出るのは当然、次の参議院議員選挙ですが、それに立候補を表明したのが、本書の著者、天木直人氏です。少し前のベストセラーで恐縮ですが、取り上げてみたいと思います。





天木氏は、イラク戦争に反対意見を “具申” したことで実質的には解雇されてしまった元レバノン大使です。本書は出版当時かなり話題になりましたし、精力的にテレビなどに出演されていましたので、ご存知の方も多いでしょう。



読んだ時の感想は、“これ本当ならとんでもない”。普通の感覚の人なら、にわかには信じられないほどの内容ですね。当時の小泉首相や川口外務大臣鈴木宗男田中真紀子らの政治家や田中均氏、小和田亘氏、野上元次官や竹内現次官などが次々と実名でその行状が紹介されます。



佐藤優氏の著作、『国家の罠』 も、政治家や外務官僚ほとんどすべてが実名で登場し、官僚としての行動原理を明らかにしたすばらしいノンフィクションだと感じました。本書はそうした人物の人間性にまではっきり疑問を投げかけています。どちらもよくぞここまで書けたものだと感心します。 





そして、なぜそういうひどい組織になるのかということも本書で分析されています。天木氏の勇気もさることながら、これほど異常な世界に身をおきながら、よく正常な精神状態でいられたものだと感心するほどでした。



本当にここまで腐っているのなら政権交代しかないなと思って読んでいましたら、天木氏も、“自民党以外” の党が政権につかなければ、ずっとこのまま日本の外交は死んだままになってしまうと危惧しています。つまりとてもとても自浄作用なんか期待できないというわけです。





以下が目次です。



第1章
 無視された意見具申



第2章
 私はけっして小泉純一郎を許さない



第3章
 外務官僚と政治家たちの恥ずべき行状



第4章
 封印された外務省の犯罪



第5章
 恐るべき外務官僚の世界



第6章
 こんな外務省はいらない



第7章
 さらば外務省




天木氏がここで暴露した内容以上に驚いたのは、氏がその後、小泉首相の地元で衆議院議員選挙に立候補したことでした。結果は惨敗でしたが、ものすごい執念だなぁと感心した次第です。



つい先日、すばらしい官僚、小松正之氏の 『クジラは食べていい』 をご紹介したばかりですし、私の知っている官僚の方々の働きぶりは本当に猛烈です。誇張でなく、死に物狂いといった様子です。





それでも、上で述べたような社会保険庁の怠慢に、農林水産省の官製談合。もういい加減にしてくれというのが本音ではないでしょうか。



一度すべての官僚の上層部を総入れ替えするくらいの改革がなければ、本当にこの国は滅びてしまうのではないかというような気がして来ます。これまで封印されてきた官僚内部の権力闘争の実態や、政治家と官僚との癒着が想像以上だということがいやというほど分かり、外務省のデタラメぶりにうんざりさせられました。



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