『歴史パロディ 英雄よみがえる【日本編】』 ARISAWA KEN
このブログによくコメント下さる、あーりーさん、実は、歴史パロディ:英雄よみがえるという人気シリーズの著者です。 “ARISAWA KEN” というお名前になっていますが。
インターネット上で書いていた歴史パロディの文章が出版社の目に留まって、本の形になり、現在はシリーズ化されるまでになっているようです。すばらしいことですね。ネット社会の寵児です。
で、早速読んでみました。めちゃくちゃおもしろいですよ。いつもコメントをいただける身内だからほめるのはなく、本当にゲラゲラ声を出して笑える内容です。今日で国公立大学前期日程もほぼ終了ですから、ゆっくり楽しんで読めます。小学生から大人まで、歴史嫌いには解毒剤・治療薬としてお薦めします(笑)。
私事で恐縮ですが、息子は5年生の夏から塾に通い始めましたが、その前は、“信長の野望(テレビゲーム)” や “三国志” で遊ばせました。思惑通り歴史好きになり、社会は得意科目になりましたが、本書でもそれができそうですよ。実際、息子に読ませてみたら、いきなり “よっしー”(義経)にはまっていました。
どんな感じか最初だけ書き出してみましょう。ちょっとびっくりしますよ。
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源義経:第1話 伊豆挙兵
西暦1180年。日本では平家一族がいばっていた。源氏一族は不愉快だった。
頼朝『平家、ムカつかん?ちょっとブレークしたからって調子に乗ってさ』
妻まさこ『うんうん』
頼朝『おれら源氏だってけっこうイケてると思うんだけどな…』
妻まさこ『思う思う』
頼朝『ねぇ、今度さ、平家に反乱起こさない?』
妻まさこ『おもしろそう!みんなびっくりするね』
頼朝『あ、でもさ… 反乱って、どうやって起こせばいいのかな?知ってる?』
妻まさこ『ごめん、知らない…』
頼朝『とりあえず、なんか建物とか襲う?偉い人の家とか…』
妻まさこ『う〜ん、そうだね』
こうして1180年8月17日、源頼朝は数人の仲間を率いて伊豆の国司代官屋敷を襲った。ところが…
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と、こんな調子でどんどん話が続いていきます。これだけではお伝えできないのですが、史実のなかのポイントとなる出来事やその背景だけをきちんと押さえ、あとはすべて楽しい会話や架空のできごとやギャグでつながっているのです。
義経の他、織田信長、徳川家康、坂本竜馬が取り上げられています。どれもうまく作ってあるのですが、個人的には竜馬が出色だと感じました。
単に会話がくだけているというのではなく、きちんとギャグが史実に活かされていますし、ちょっとしたギャグが実はのちのちのしかけになっていたりします。いや、よく書けるものです。
歴史の英雄をこうして親愛をこめてからかうのは、知識はもちろんのこと、ユーモアのセンス+構想力+さらに勇気が必要でしょうね。実際、相当歴史にいれこんでなければ考えもしないでしょう(笑)。ブッシュ大統領や安倍首相なんかを風刺するのとはちょっと違うと思うんです。
先日、ご紹介した『ゆうき式逆転発想勉強術』では、“勉強をおもちゃにしちゃえ”というのがあって、受験勉強の中になるべく遊びを入れておくことが知識吸収の突破口になるという趣旨のことが書いてありました。本書なんかはその材料にもピッタリ。
私もこのシリーズの他の作品もまた続けて読んでみたいと思いますが、あーりーさんご自身がお薦めの本をレビューされています。どうぞご覧下さい。
あーりーさんのブログ ⇒ 『お薦め歴史小説』
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うっ、知らないうちに抜かれていました。
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『歴史パロディ 英雄よみがえる【日本編】』 ARISAWA KEN
学生社:314P:1470円