教育関連本特集 & 爆笑ジョーク
今月の、“先生のお薦め本”、教育関連書籍編は今日で最後です。いかがでしょうか、手にとってみたい本が一冊でもあったらうれしいのですが…。残りの三冊です。どうぞ。
【VIVA】
佐藤氏はこれまでも学級崩壊などについて、綿密な調査をし、学校の建て直しのためにさまざまな事例などを書籍などで紹介してきました。学校のお医者さんとか、先生たちの先生ともいうべき存在です。
本書は岩波ブックレットシリーズでわずか60ページほどしかないのですが、学力問題を分かりやすくまとめてあります。
ほかの著作と重なる記述も多く含まれていましたが、よくまとまっていて、特に本書では、学力問題というのは単に子供の現象ではなく、大人が生み出した社会現象だという点に力点が置かれています。
そこで、非常におもしろいのですが…、 『学力』は一種の『貨幣』としての機能を持ち、現在の学力低下は『通貨の暴落』として説明しています。
貨幣って、流通します、交換できます…、相続する場合もありますね。賛成するかどうかは別にして、新鮮な指摘です。
『教育力』
齋藤 孝著 岩波新書 735円
教育学者であり、教育方法の研究を専門としている著者が考える「良い教師」とは・・・。その条件の一つ目に、「教師自らが学ぶことの魅力を忘れずに、学ぶことへの向上心を常に持っていること」があった。
なぜなら、そのエネルギーは生徒たちに伝染し、彼らの学ぶ意欲に火をつけることができるから。
「この科目は勉強する意味がない」なんて早い時期に自分の世界を狭めるのはもったいない。
先人たちの知恵を継承することがどれほど素晴らしいことか…までは実感させられなくても、せめて学ぶことの魅力を伝えられる力は教える側に必要なことだ。
その他いくつも著者の教育に対する考えが書かれているが、これらは学校だけに限らず、広い範囲で「教える」立場にあるすべての人に有益だと思う。
『脳を知りたい!』
「脳」の仕組み、というと、普通は専門家でなければ無理!と思いますよね。しかも私は「文系」です。この手の理系本は苦手です。
でも、著者のプロフィールを見たら、上智大学外国語学部出身とあるわけです。所謂「ド文系」です。医者でもなければ理系でもありません。だから全然専門的でなくて、しかもとても分かりやすい。
個人的には第1章の早期教育がとても考えさせられましたね。能力を伸ばすのは確かに教育の目的ではあるけれども、最終的にその人が何のためにその能力を活かすのかということは、結局のところ詰め込み式の習い事ではなくて、周囲から愛されているという安心感だとか、周囲のものに対する好奇心だったりするわけで、そういう意味での環境整備の重要性を訴えています。
他にも本書では環境ホルモンやアルツハイマー病など興味深いテーマが多く取り上げられています。
◎ 春一番が吹き荒れて、昨日、今日と東京地方はものすごい風です。春がすぐそこまで来ているんですね。 受験生諸君にも暖かい春が訪れますように!