『全解説頻出英文法・語法問題1000』 瓜生 豊 , 篠田 重晃



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なんと! 当教室 に通っている中学生が、自分のお兄さんのためにこのテキストの書評・解説を書いて下さい!と持ってきたものです。お兄さんが夏休みの家庭学習でこれを使いたいということです。



いや、それにしてもけなげ。心優しい弟くんですが…、『 弟なんか使わずに、塾に来て私の授業を受けなさい!』 と伝えたのですが、どうでしょう(笑)。





まぁ、それはともかく、本書です。良い本ですね、きちんと使いこなすことができれば。





Next Stage(ネクステージ)英文法・語法問題』 でおなじみの瓜生豊・篠田重晃の両先生のテキストです。拙ブログでもお二人の 『英文法ファイナル問題集』 を以前、取り上げました。



実は、本書と上で挙げた2冊はそれこそ “兄弟” と呼べるほど、問題も解説も似ています。どれか一冊を徹底してやれば、ほぼ文法や語法はマスターできそうですが、それぞれ構成が異なるということ、本の形式が違いますので使い方も工夫して下さい。





学校などから生徒に渡しているのは、『Next Stage(ネクステージ)』 です。持っている生徒が多いのですが、一人で勉強するとなると、実はこれが一番使いにくいというか、解説が少ないので、私はお薦めしません。



『Next Stage』 は、他の2冊と違い、問題と解説が別冊になっておらず、同じ見開きの左右のページにあります。もうひとつの特徴は一番広範な分野を扱っているということ。例えば、発音・アクセントは 『Next Stage』 にしか入っていません。



そういったことが、学校の授業では使いやすい理由なのかもしれませんが、その分解説の内容が薄くなっている印象は免れません。発音やアクセントなども、一応付いているという程度で、その情報量はわずかですから、別のテキストでも十分補えます。





英文法ファイナル』 に関しては記事にしましたので、それを参考にしていただきたいのですが、特徴はまず、標準編と難関大学編の2冊に分かれていること。さらに答案用紙まで用意され、設問に配点を付けたテスト形式であるということです。



それが使いやすいかどうかは個人の好みにもよるでしょう。そういった形式を考えれば、夏休みに集中的に文法をやるという時に使うより、一通り学習し終わった生徒が、自分の理解度や弱点を確認するのに良い本です。制限時間内で目標点を決め、緊張感を持って解いていけば、この形式が活かせます。



“英文法” という名が付いていますが、語法やイディオムや会話表現などの暗記部分もしっかり入っています。また解説も非常に充実していますから、復習もしやすいはずです。





そして、本書。たとえば本書には会話表現という項目こそ設定されておりませんが、入試に必要なものはある程度問題に含まれていますから、実質は『英文法ファイナル』と大差ありません。



少なくとも、ファイナルよりは先にやるべきテキストです。ファイナルが総仕上げ的に、分野の区別のないテスト形式になっているのに対し、こちらは時制からオーソドックスに始まりますし、基本からセンターレベル、さらにそれ以上へと段階的に導いてくれます。



ただし、まったく初歩の文法からやりたい人には向きません。すべて入試問題ですから、いくら解説が詳しいといっても、1000題プラス復習200題を初歩から理解するには、膨大な時間がかかりますから注意して下さい。中級から難関レベル向けです。





結局、この3冊(英文法ファイナルは標準編と難関大学編)は、どれを使っても、その内容すべてを理解すれば、結果的には似たような効果があると言えますが、上記の理由で夏休みに独習するなら、本書がベストです。





個人的には、このお二人の参考書はどれも解説が詳しく大変気に入っていますが、どうして、こう似たような本を何冊も出されるのか、事情がよくわかりません。これら以外にもまだ何冊かありますから、受験生はどれを使ったらよいのか迷うのも無理からぬところです。(確かに、弟まで使いたくなる気持ちもわかる(笑)。)



こういうタイプの本は、いろいろ中途半端に手を出すのではなく、しっかり一冊を仕上げる方が学習効果は高いはずです。特に本書は問題が小冊子となっており、できない問題にしるしを付けて一つ一つつぶしていけば、自分の学習進捗度も把握しやすいでしょう。



本書の中のどこから出されても大丈夫と言えるくらい使い込む。そういう覚悟で頑張って下さい。かなり量がありますので、短期間でやり切るのは大変ですが、良質の問題集であることは間違いありません。







P.S. お兄さん!読んでくれたかな?わからなかったり、くじけそうになったら夏期講習に来て一緒に頑張ろうね(笑)。英文法博士になろう。必ずマスターさせるから!





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