『日本マスコミ「臆病」の構造』 ベンジャミン・フルフォード



日本マスコミ臆病.jpg

 



朝鮮総連の中央本部の売買をめぐる詐欺事件で緒方重威公安調査庁長官が東京地検に逮捕されましたね。この取引には、元日弁連の会長というもう一人の超大物までかかわっていたそうですが、よくわからない事件です。



菅義偉総務相は、「日本人拉致事件に関連のある朝鮮総連に関係すること自体が公職にある者として慎むべき問題だ。このような事件に発展したことは、公安調査庁の存在そのものが国民から問われる重大な事態だ」 と語り、私も確かにその通りだと思いますが、今回の詐欺の被害者は朝鮮総連になっています。





当初は朝鮮総連を救うために違法な行為を共謀してやったということだったと思いますが、それなら管総務相の指摘通り重大事態です。朝鮮総連側が巧みに大物を抱きこんだ事件だったはずですが、今度は総連側が詐欺にあった被害者という構図に変化しています???





昨晩、逮捕・起訴は免れないことを予期した緒方氏が、逮捕直前の単独インタビューをテレビで行い、“今回の事件(逮捕)は官邸主導だ” というのですが、それもよくわからない説明でした。



これまで何度も腑に落ちない事件がありましたが、そういう場合は、権力側と大手のマスコミの間に共通利害のようなものがあって、めったに真相が表に出ないという気がしますが、今回も何かいやな感じの事件です。事件の背景に関して、マスコミからはいまだ、納得のいく報道がありません。





以前ご紹介した、『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』の著者、ベンジャミン・フルフォード氏が、本書では日本のマスコミについて、大いに批判的に書きました。こういう事件があると思い出す一冊です。





そもそも、かつて氏が日本のマスコミ(日経新聞) に籍を置いて、ヤクザ関連の記事を書くことを上司に止められたのが、その活動の原動力になっているかのようです。



よく批判される記者クラブの制度の問題点はもちろん、なぜそういうものを守る勢力が日本には強いのかということに言及します。そのしくみを温存したがっている勢力は大手マスコミや官僚に限らず、裁判所や警察までふくまれていると指摘します。



そう言えば、本書に出てくる武富士。拙ブログでも、その問題点を鋭く突いた一冊『武富士サラ金の帝王 (溝口敦)』 を取り上げましたが、その悪徳ぶりをひどく批判していた朝日新聞が、武富士から高額の広告宣伝費をもらっていたことがかつて報道されましたね。



警察までもが、不祥事を告発したジャーナリストや闇とつながっていると思われ、武富士の会長のインタビューが掲載されています。こうなると、いったい正義はどこにあるのかと絶望的な気分にすらなります。



目次は以下のようなものです。





1 人質

2 小泉純一郎

3 記者クラブ

4 皇室

5 武富士

6 NHK

7 ソニー&松下

8 差別

9 住専

10 堀江貴文

11  私はこうしてジャーナリストになった







一口に言えば、日本のマスコミはみんな臆病だと言っています。



皇室報道は最も典型的だそうです。その点においては週刊誌や右翼の街宣車の方が真実を伝えている場合が多いとも述べています。 マスコミだけでなく、国全体が悪に覆われてしまっている印象で、日本人にはおそらく書けない内容でしょう。



とここまで書いて、いや宮崎学氏が 『地下経済ーこの国を動かしている本当のカネの流れ』 を読んで、本書と似たような読後感を持ったことを思い出しました。



いずれにしろ、非常に刺激的な本で、マスコミの問題点に興味のある方にはお薦めします。

ただ、上に挙げた “アルゼンチンタンゴ〜” や、そのあとの 『ヤクザリセッション』を読んでいる人にとっては、重複する部分が多いため、新鮮さに欠けるとの印象は否めないのではないでしょうね。 



もう一つ…、ベンジャミン・フルフォード氏は先日取り上げた、『
さらば外務省
の著者、夏の参議院選挙に出馬を表明した天木直人氏を応援しているようです。また、創価学会に関しても イケダ先生の世界』 という著作があります。











●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m





⇒  blogランキングへ     にほんブログ村 本ブログへ(1位)





http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】



増補・改訂 日本マスコミ『臆病』の構造

                                                

                                                宝島社

                                                

                                                詳細を見る

                                                




 創価学会・9.11テロなどについても著作があります。





Homeへ