『ハゲタカは飛んでゆく』ラリー・S・ジュニア著 高木ハジメ 訳

 

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安倍首相がいよいよはじめての日米首脳会談のために訪米します。小泉元首相はブッシュ大統領といると、日本にいるとき以上にはしゃいでいたパフォーマンスを見事にして見せましたが、安倍首相はどうでしょうか。

日本のアメリカに対する信頼感は、北朝鮮の拉致が明確になった時には一気に盛り上がった印象ですが、やがてイラク戦争が泥沼状態になると、ブッシュ政権に対する評価が逆にあっというまに悪化しました。大量破壊兵器はなかったんですから当然ですね。


本書は非常に面白い一冊です。以前『ライオンは眠らない』という本がありました。経団連の奥田元会長がみんなに薦めているということで話題になりました。

そちらの内容は、日本がこのまま財政赤字を放っておけば、近い将来、破産してしまうとか、預金封鎖にならざるを得ないというようなものでした。


本書も同じように寓話を用いて、経済を扱うのですが、主にアメリカの陰謀を語ります。登場するのは…

『タカ帝国』:世界最大の権力を誇る。最近、武闘派が目立つ。

『ハト王国』:動物世界大戦でタカに破れたあと、頭を押さえつけられている。

『カバ人民共和国』:頭数の大きさは動物界ナンバーワン。領土が大きすぎ、カバの意思統一がはかれない。

『クマ帝国』:かつてタカ帝国と勢力を二分。内部分裂で弱体化するも復権を狙う。

『ハチ王国』:他とは違う特有の教義をもつ。他の動物の冬越えに必要なハチミツ生産地帯を押えている。


これらの国の関係を、日本人のある老人とアメリカ人ジャーナリストが、タイにいる日本人の若者の質問に答える形です。


日米関係が中心ですが、要旨は、アメリカは絶対にドル高は阻止する。日本が持っているアメリカの国債を売らせない。これを基本戦略に、すべての政策を組み立てているのだから、そのことを日本は明確に認識しなければ、いつまでたっても経済は復活しないということです。

この考え方に納得するかどうかは、人によって意見が分かれると思いますが、短いですし、高校生でも楽しみながら読めると思いますので、ぜひどうぞ。お勧めです。


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『ハゲタカは飛んでゆく』ラリー・S・ジュニア著 高木ハジメ 訳
実業の日本社:141P:899円







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ライオンは眠れない

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