『「勉強したくない!」を活用する ゆうき式 逆転発想勉強術』ゆうきゆう(精神科医)
『この世の中に、勉強ほどつまらないものはありません』 というまえがきから始まっている本書。
捨ててやろうかと思いましたが(笑)、がまんして読んでいたら、かつて私が実行していたことがいくつか出てきてうれしくなりました。冷静に自分の高校時代を振り返ってみると、勉強が好きじゃなかったので、いろんな工夫をしていたのかもしれません。
筆者は精神科医で、セクシー心理学という人気サイトを運営している他、『モテモテ心理術』など、本書の他にも数多くの著作のある、ゆうきゆう氏です。ご存知の方もたくさんおられるでしょう。
勉強嫌いとは言いつつも、東大の理3(医学部)を現役合格しているという経歴が示すとおり、受験勉強には当然かなり打ち込んだようで、ご自分の体験をもとに、アレンジを加えた、非常に軽いタッチの文章で書かれています。
具体的な勉強方法や工夫も書かれていますが、例えば、ノートのとり方とかどの参考書がよいというようなことではなく、勉強に対するメンタル面のアドバイスが中心です。先生と生徒が一対一の会話をする形で進んでいきます。
例えば、朝4時に起きて勉強しようと薦めていますが、それも早朝に勉強するのが効率がいいということではなく、世の中が動き出す前に自分が起きている、そういう自信を植え付けるため。
人生の成功には、自信や優越感が不可欠で、4時がムリな人はいつもより30分早起きして動き出すだけで自信が得られるという指摘です。他にも、ネガティブな発言ばかりを繰り返す人と付き合っていると感染するから、近付いてはいけないなど、やはり精神科医らしいアドバイスが中心です。
目次は以下の通りです。
第1章 勉強嫌いのためのスーパーメソッド(ギャンブル勉強法;素直な気持ち;朝、起きるべき時間は?;勉強は、楽しくない!?)
第2章 踏み出せない人のためのスーパーメソッド(勉強を、オモチャにしちゃえ!;あと、一歩だけ;ライバルを、ライバルと思うな;遊びは、罪じゃない)
第3章 続かない人のためのスーパーメソッド(異性のあなたに伝えて;普段はアメ、本番はムチ;最初はただ、見つめるだけ)
第4章 成績が上がらない人のためのスーパーメソッド(勉強は、浮気しながら;誰でも、ヒーローを持っている;記憶するには、ツッコムこと;プラス・ウィルス;電車の中の視線)
ゆうきゆう氏と同じように東大理3に現役合格し、やはり精神科医などとして、数多くの著作のある和田秀樹氏も、理解より先に暗記することの効用を説いていますね。特に数学は暗記だと強調しています。本書も暗記から理解につながるのであって、その逆では効率が悪いと主張しています。
私と同じことの一つに、毎日本屋さんへ行って参考書をながめ、欲しいと思ったら迷わず買う、というのがありましたね。もう一つ、家でやる気の出ないときは、参考書を(表紙だけ)ながめるというのも同じで驚きました(笑)。数学も国公立大学の二次試験で問われるレベルのものはわけもわからず暗記しました。
なぜそんなことをしたのか、自分ではよく理解できませんでしたが、本書には、そうしたことのもたらす心理学的な効用が書かれていました。私はこれらのことを生徒に薦めた記憶はありませんが、こういうアドバイスは結構役立つかもしれませんね。
例えば、あれこれ手を出さず、一つの参考書を完璧に仕上げるという “王道” を強調する先生が多いですが、私にはムリでしたし、生徒も “完璧”というのは難しいでしょう。
ビジネス書などでもよく、“逆転の発想” とか “自分を変える” いわゆる自己啓発的なものがありますよね。そういうテクニックを受験に応用しようという一冊で、そういうものに興味のある人には最適な本でしょう。また、どうもやる気が起きないなぁと感じる生徒は一読して損はないと思います。
そうではなく、“やる気はある” から効率的な勉強方法を知りたいという人には、以前取り上げました、『東大生が教える!超暗記術(徳田和嘉子)』 が良いと思います。
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