『ネクストソサエティー歴史が見たことのない未来がはじまる』ピーターFドラッカー

 

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一昨年95歳で亡くなった、ドラッカー氏の著作です。本書、執筆当時は93歳でしょうが、鋭い分析は衰えを知りません。本当にすごい。


新聞記者として、ヒトラーなどにインタビューをし、その記事でナチスから迫害を受けることを恐れ、出国。やがてアメリカに移り数々の活躍、日本政府からも勲章をもらっているほどの大経営学者ですね。


本書はこれまでに発表された論文やインタビューを集めたものですから、学問的な大論文を期待されると拍子抜けしてしまうでしょうが、その分非常に読みやすくなっています。

グローバリズムポスト産業化社会とはどんなものか。知識階級が中心となる 『ネクスソサエティー』 とはどういうものか、まだ見ぬ時代を具体的に大胆に予測します。

competition” という英語を、“競争” と訳し、その概念を日本に知らしめようとしたのが、福沢諭吉なら、“民営化” という、今となっては当たり前の政策を世界中に定着させたのがドラッカーです。


未来を予想するには、過去や現在を冷静に分析しなければなりません。例えば、日本の官僚システムこそが欠陥だと、新聞などを通じて知っていても、


「そういう構造になるのは歴史の必然であり、官僚組織が絶大な権力を持つことはフランス、イギリス、ドイツなどは日本以上である。権力を持たないほうが例外的である」


こう指摘されるだけで、視野が広がりませんか?


グローバル社会というもののなかで起こる現象、日本の他、アメリカ、中国、韓国など各国の歴史を踏まえた行動パターンの予測など、本来は経営者向けに書かれているとは思うのですが、学生にとっても知的刺激を得られる内容だと思います。


これからはどんな社会になるんだろう、自分は何をやったら良いのか、単にぼんやり考えても、答えは出ませんね。何学部を受けたらよいのか、迷っている生徒は非常に多いです。もちろん本書にその答えがあるわけではないのですが、きっと考えるきっかけになると思います。


いくつかの章は既に読んだことがあるような気がしますが、いずれも示唆に富む指摘で、高校生以上に勧めたい一冊です。





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ネクスソサエティー歴史が見たことのない未来がはじまる』ピーターFドラッカー
ダイヤモンド社:320P:2310円