『奇跡の音 英語聴覚セラピー 2週間で英語が耳に飛び込んでくる!』篠原佳年

教育関連ベストセラー100冊

 

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本書は入試用のリスニングテキストではなく、英語リスニングに耳を慣らすために、高周波刺激を与えようとするものです。

だいたいこういう書名、“奇跡” だとか、たった“2週間” という宣伝文句は嫌いですし、あやしい(笑)。まぁでもこうすると売れるんでしょうね。


昔、マジックリスニング という5〜6万円もする同種のリスニング教材を買ったことがありまして(話題になりました。ご存知でしょうか)、それと同じ効果をねらったものが、千円ちょっとで手に入るというのが、魅力的で、あやしいけど購入してみました。


ただし、筆者の篠原さんという方は、あやしいどころか、高名な医学博士で、主にアトピーリウマチ膠原病などを研究しているらしいのですが、“聴覚セラピー”といって、耳のリハビリを通して、それらの病気に対して治療効果をあげているということで、その分野の第一人者です。つまり確かに “耳” のエキスパート、権威ですらあります。


聴覚は視覚や嗅覚などと違って、リハビリ(やり直し)ができる唯一の感覚器官です。ストレスなどで、耳鳴りがしたり、特定の周波数を耳が自然にブロックしてしまったりして、耳が聞こえなくなることに注目し、モーツァルトなどの音楽で、それを治療をしているのです。 その治療に使われるものと同様の効果を狙って英語のリスニングに応用したわけです。


英語の話される 周波数帯 と日本語のそれが大きく離れているというのは、ご存知でしょうか。

日本人が英語の聞き取りが苦手なのは、英語の音には日本語にない高い周波数帯の音(主に子音)が多く、日頃日本人が使わず、耳が慣れていないからだという指摘です。マジックリスニングと同じ理屈ですね。その高い周波数帯に日本人の耳をならすCDなのです。


ノーマルな英文→ 2000〜4000Hzを強調した英文 → 4000〜8000Hzを強調した英文と、同じ英文が3回読まれますが、実際に聞いてみますと、リラックスできるというより、やはり聞き取りにくい印象を持ってしまいます。クラシックがBGMで流れているのですが、音が小さい感じがします。意図的でしょうか?

マジックリスニングは聴いていて何も苦にならない音楽が含まれていたのですが、こちらは悪く言えば、“キーキー”している感じがしました。これをできれば1日2回、2週間できれば、1ヶ月聴いて欲しいそうです(ほら、すぐ長くなる!)。


ただ、私は個人的には、この訓練は効果があると思っています。しかし、それを学習者本人が実感できるかどうかが難しい問題ですし、集中の度合いによって、あるいは現在のレベルによって個人差がかなり大きいはずなのです。


かなり集中的にやる覚悟と、使用前後で適正な実験が必要だと思います。効果に自信があるのなら、それを自覚できるようなチェックテスト用のCDを付けてくれれば良いのに…。


受験用のテキストではありませんので、英文が、典型的な旅行用の英会話文になっています(音に対する訓練なので内容は二の次)。ですから、この時期の受験生にはとても薦められません。 あくまで日本語の周波数帯から英語のそれへの対応を可能にするためのCDです。


もう少し、工夫された英文と構成、リラックスできるような音楽がふんだんに使われていれば、お薦めできるのですが、上記のような理由で、お薦めというよりも、興味のある方にご紹介ということで取り上げさせていただきました。





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『奇跡の音 英語聴覚セラピー 2週間で英語が耳に飛び込んでくる!』篠原佳年
きこ書房:77P:1470円