『PAY DAY!!!』山田詠美 

 

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大学入試でも、話題になる山田詠美さんの一作です。他の作品も良いのですが、25日じゃないですか! Payday

本書では、アメリカの一家庭を描きます。

男女の双子の親である夫婦が離婚をします。高校教師である夫は息子と一緒に生まれ故郷の田舎に帰り、キャリアウーマンである母親の方は、娘と大都会ニューヨークに残ります。

ところが、その一年後、9.11のテロがあり、母親は亡くなってしまい、取り残されてしまった娘は、結局ニューヨークを離れ、父親の田舎で住むことになります。

アメリカの南部で、再び同居する兄妹、湾岸戦争帰還後アル中になってしまったおじ、新しい伴侶を静かに求める父、信心深く、暖かいおばあちゃん。母親抜きの5人家族が、時に、互いをわずらわしく思いながらも、支えあって生きていることを確認していきます。

きれいごとだけで人間は生きられない、傷や秘密を持ちながらその相手を認め合うようになる情景が、子供の成長と一緒に美しく描かれています。

アメリカ南部という雰囲気がよく出た作品だと思いますが、山田氏とテロとか、アメリカというところに、やや違和感を持ちました。 文体自体もアメリカの小説スタイルのように感じます。はじめ英語で書いてから訳したのか、(だから前作から7年もたった?)または誰かの作品を山田氏が翻訳しているのじゃないかと何度か確かめたほどです。

そうでないなら、英訳されるのが前提に書かれているような印象を持ちましたが、ひょっとしたら読み方が足らないのかな?少し前に読んだ、『ラブリーボーン』アリス・シーボルト著に、雰囲気が似ていて、そう感じたのかもしれません。どこかに筆者のインタビューでもあればいいのに…


良い作品だと思いますし、生徒たちにも自信をもって薦められる一冊ですが、他の作品とはちょっと違う気がして、山田詠美ファンが本書をどう読んだのか気になります。

http://tokkun.net/jump.htm 
『PAY DAY!!!』山田詠美 payday bunko.jpg こちらは文庫の表紙。イカしたイラストですね。
新潮社:310P:1575円    


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