『東大生が教える!超暗記術』 徳田和嘉子 

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センター試験まであと4ヶ月を切りました。夏の間にしっかり勉強した人は、ここから知識を増やせば、ぐっと成績が上がるはずです。

今も昔も受験生を苦しめる暗記ですが、人によって暗記方法はさまざまです。語呂合わせもその一つですね。当教室の授業でも使いますが、それがツボにはまって、受験後何年かたっても、忘れない人と、“なにそれ?”とこちらに軽蔑のまなざしを向ける人もいます(笑)。

私の授業で、定着率の良い単語の代表的な語呂合わせを紹介しますと

deaf(デフ):耳が聞こえない  『な・何“でふ(deaf)”か?』
salute(サルート):あいさつする  『去る〜と(salute)き、あいさつする』
kennel(ケンネル):犬小屋    『犬(ケン)寝る(kennel)』
deny(デナァイ):否定する    『〜でな〜い(deny)と否定する』

まだまだ、たっくさんありますが、こんな完璧な名作・傑作でも(笑)、覚えないヤツがいるんですよ!ところがですよ、これ

distribute(ディストリビュート):分配する 『 This 鳥、びゅ〜〜ん、と(distribute)“分配する” 』  

これ、この↑の文、まったく無意味なんですよ。でも、実験の結果、非常に良く覚えます。やはり人によっても違いますが、とにかく頭に残るのです。鳥の絵も必ず描きますよ。


また、最近記録が破られてしまいましたが、それまで円周率の暗記世界一だった後藤さんという方も、語呂合わせを使って、円周率をなんと42195桁!も覚えたのですが、「映像」を加えることが氏のポイントです。

円周率は3.1415926535と続きますが、これではたったの10桁です。これを

「産医師(314)、異国に(1592)向かう(65)、産後(35)」

と覚え、お医者さんが赤ちゃんを取り上げたあと異国へ飛んでいく姿を頭に焼き付けます。イラストを描いてでもイメージを定着させなければなりません。くどいですが、それがポイントです。

11桁目からは8979323846・2643383279(30桁)となりますが、(覚え方「爆竹ゾーン(89793)兄さん走る(23846)、二浪し(264)さんざん(33)破産に泣く(83279)」(走ったり、泣いたりしている姿をイメージして下さい)これをえんえん4万以上も覚えられるというのですから、この方法の威力はすごい。10ずつで区切るのもコツで、言い忘れに気付きやすくなります。

で、本書の紹介です。こうした暗記のポイントは、ゴロが良いことというより、『印象に残すための工夫』 があるかどうかなのです。印象に残すためなら何でもありという一冊で、非常に参考になります。


受験生なら知っているであろう、古文単語暗記で有名な 『ゴロで覚える古文単語ゴロ565』。あれが大成功したのも、その作戦です。必ず強烈な(時にエッチな)絵が入っていますし、CDが付いています。頭に残ってしまうんです。

逆にそれ以外、ほとんどの語呂合わせの暗記用参考書がことごとくダメなのは、徹底していない。どんなにうまいゴロでも、頭に残るような工夫がなければ、忘れてしまいます。

そして、さらに重要な点は、教えてもらうより、自分で作る、自分で工夫すること!なんです。

と言っても、それほど難しいことではなく、きれいなゴロを作ろうとするのではなく、とにかく何かに関連付けさえすれば良いのです。本書にはその関連付け方の例がふんだんに出てきます。きっと、どこかで誰かが言っていたことですが、それをしっかり集めてあります。

ただ、勘違いしてはいけないのは、すべてが自分に合うとは限らないということです。人によって印象の残り方はまったく違います。ゴロ合わせも一つの手段に過ぎません。いくつもの方法を試して、徐々に自分の暗記スタイルを作っていくことが大切です。


題名も本文も、実は、一見すると “軽い、安っぽい本” に見えます(失礼!)が、あなどれませんよ。暗記の本質を突いていると思いますので、暗記に悩んでいる人、または教える立場の方にはご一読されることを勧めます。



http://tokkun.net/jump.htm